たぶん、ちょうど、その時に六人の乗る二台の車が通り過ぎ、加奈を見つけられなかったのだと、みんなは胸を撫で下ろした。
加奈は、みんなに、お礼を伝えてくれるように言い、電話を切り、六人は加奈の電話を受けて、喜び安堵して宿に入った。
時間はまだ午後三時過ぎであり、みんなは荷物を部屋に置くと面河渓の散策に出かけた。
渓谷沿いに上流に向かって遊歩道が続いており、ぶらぶらと景観を楽しみながら、ゆっくりと歩いてゆく。
渓谷には断崖が直立し、奔流が、さまざまに変化に富む渓谷美を見せてくれる。流れは滝や淵をつくり、新緑の木々と相まって、爽やかで心地よい散策であった。
しかし、しばらく歩き進むうちに、急速に空が暗くなってきて、雲が湧いてきているのに気がつき、やがて雨が落ちてきそうな雲行きになってきた。
お婆ちゃんたちと由紀は、雨が降り出す前に宿に帰り着こうと引き返したのだが、理絵と勇太は、せっかく来たのだから遊歩道の一番奥まで行ってみたいと思い、四人と別れ、奥に向かって歩き進んで行った。
山の天気は変わりやすく、歩いて行くうちに雷が、ごろごろと鳴り出して
「何か怖いなぁ・・・どっどっと雨が降ってきそうよ」
と理絵が言ったが
「とにかく行ける所までいってみようよ」
と勇太は言い、先へ向かって進んで行く。
理絵は雷が怖くて、時々空を見上げながらも勇太の後をついてゆく。
加奈は、みんなに、お礼を伝えてくれるように言い、電話を切り、六人は加奈の電話を受けて、喜び安堵して宿に入った。
時間はまだ午後三時過ぎであり、みんなは荷物を部屋に置くと面河渓の散策に出かけた。
渓谷沿いに上流に向かって遊歩道が続いており、ぶらぶらと景観を楽しみながら、ゆっくりと歩いてゆく。
渓谷には断崖が直立し、奔流が、さまざまに変化に富む渓谷美を見せてくれる。流れは滝や淵をつくり、新緑の木々と相まって、爽やかで心地よい散策であった。
しかし、しばらく歩き進むうちに、急速に空が暗くなってきて、雲が湧いてきているのに気がつき、やがて雨が落ちてきそうな雲行きになってきた。
お婆ちゃんたちと由紀は、雨が降り出す前に宿に帰り着こうと引き返したのだが、理絵と勇太は、せっかく来たのだから遊歩道の一番奥まで行ってみたいと思い、四人と別れ、奥に向かって歩き進んで行った。
山の天気は変わりやすく、歩いて行くうちに雷が、ごろごろと鳴り出して
「何か怖いなぁ・・・どっどっと雨が降ってきそうよ」
と理絵が言ったが
「とにかく行ける所までいってみようよ」
と勇太は言い、先へ向かって進んで行く。
理絵は雷が怖くて、時々空を見上げながらも勇太の後をついてゆく。

