「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

彼女の病気はリウマチで四十歳で発病し、歳を負うごとに、歩くのが辛くなってきているものの、お四国巡りの、お陰なのか進行が遅くて、どうにか続けられているらしい。

最初は病気の症状も軽くて、歩き遍路もしたそうだが、症状が悪化してからは、もっぱら車を利用するか、バスツアーに参加して参拝しているらしく、最初は一度だけのつもりであったのに、遍路をしていると、色々な人との出会いとか、ふれあいがあって、自分自身の癒しにもなり、今回のように一人の時もあるが、家族と巡ったり、友人と巡ったりしながら続けているうちに、いつの間にか、回数が積み重なり、金の納め札になったのだと話してくれた。

勇太と理絵は
「無事に巡礼が続けられますように、お祈りします」

と言って別れると、由紀たちを追いかけるようにして下って行った。

途中、勇太が理絵に
「人間の内面の力が病気を克服させているのかも知れないね」
と話しかけると

「本当ね。人間ってすごいね」
と頷いている。

駐車場に来たところで由紀やお婆ちゃんたちに追いついて、彼女の話をして金の納め札を見せると、由紀はもちろん、お婆ちゃんたちも金の納め札を見るのは初めてであり、それぞれが手にとって見つめながら、お婆ちゃんたちは

「銀のは見た事があるけど、金とはねぇ・・・すごいわねぇ」

最後に納め札を手にとって見つめている由紀は