「この中にね、私のマンションの住所と地図と電話番号を書いて入れておいたの。それと加奈ちゃんが、お四国巡りを結願して、両親の供養ができるようにと、少しだけどね、現金を入れてあるわ。」
「現金を入れてあると言うと、受け取れないと言うかも知れないけど、これは受け取ってね。そして、ちゃんと両親の供養をしてちょうだい。中途半端に、お四国巡りを終わらせないでね・・・お願い」
と言って手渡そうとしたが、加奈は躊躇している・・・
紀恵お婆ちゃんは
「お金はね。貸してあげるの。だから、いつでもいいから返しに来てくれればいいの。そんなに、心に負担になるほど入っていないから・・・ね・・・受け取って、お願い」
加奈は、やさしさに涙が溢れてきて
「ありがとう・・・ありがとうございます。とっても申し訳ないけれど・・・」
と言いながら、涙で声も途切れ途切れに
「私・・・ちゃんと供養をして、お婆ちゃんに報告します。・・・お婆ちゃんに報告に行きます・・・ありがとうございます」
と封筒を受け取った。
加奈の目からは、どんどん涙が溢れてくる。
みんなも安堵して、加奈を見つめている。
見つめている目にも涙が溢れていた。
八時過ぎ、玄関を六人と加奈が出てゆく。
真知子お婆ちゃんが、誘っても一緒には車では行かないだろうと思いつつも
「現金を入れてあると言うと、受け取れないと言うかも知れないけど、これは受け取ってね。そして、ちゃんと両親の供養をしてちょうだい。中途半端に、お四国巡りを終わらせないでね・・・お願い」
と言って手渡そうとしたが、加奈は躊躇している・・・
紀恵お婆ちゃんは
「お金はね。貸してあげるの。だから、いつでもいいから返しに来てくれればいいの。そんなに、心に負担になるほど入っていないから・・・ね・・・受け取って、お願い」
加奈は、やさしさに涙が溢れてきて
「ありがとう・・・ありがとうございます。とっても申し訳ないけれど・・・」
と言いながら、涙で声も途切れ途切れに
「私・・・ちゃんと供養をして、お婆ちゃんに報告します。・・・お婆ちゃんに報告に行きます・・・ありがとうございます」
と封筒を受け取った。
加奈の目からは、どんどん涙が溢れてくる。
みんなも安堵して、加奈を見つめている。
見つめている目にも涙が溢れていた。
八時過ぎ、玄関を六人と加奈が出てゆく。
真知子お婆ちゃんが、誘っても一緒には車では行かないだろうと思いつつも

