「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

連合本部も地球の復興を優先して取り組んだので、無機物生命体の探査調査は今回、無機物生命体が全滅した小笠原東方海域で行なわれるのが初めてであり、落下地点を特定する為の探査などは未だに行なっておらず、公表もしていない。

連合本部は、戦闘の状況をカメラ衛星などを利用し、そして世界中の国々からの情報も集めながら戦闘を継続していたのであろうから、おそらくモニカが報道した放送局が調査した結果よりは、より詳しい落下地点を特定する資料を有しているのであろうが、公表していないので知る由が無い。

モニカは
「大型船や特殊船が遭難して沈没したと思われる海域と、無機物生命体との戦闘があった場所を重ね合わせてみると、今日、発表のあった小笠原東方海域の日本の海洋調査船も含めて、この二年余に消息不明船となった、大型船や特殊船十四隻のうち十隻が重なるのよ」

「そしてね重なっている十隻のうち自然条件が、そんなに悪いというわけじゃないのに、消息を絶ってしまっている船も五、六隻はあるのよ」

「ねえ、みんな、どう思う」
と問いかけた。

スティーブは
「七十パーセント強か・・・確かに偶然にしては多いとは思うけれど、戦闘があった場所と航路帯が重なっていて、もともと数多くの船が行きかう為に、沈没した船の数が多くなっているという結果ではないのかな」

「でも自然条件が、悪くないのに消息不明になったというのは、気掛かりだね」
と話すとモニかは