「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

たとえば小笠原東方海域で遭難したばかりの日本の海洋調査船や、その少し前に東シナ海で消息不明になった大型コンテナ船、それ以外にも地質調査船や潜水艦、大型タンカー、大型貨物船、大気や海水などのデーターなどを収集する気象観測船、高速実験船、などである。

これらのニュースで取り上げた遭難船が例年よりも多くて、遭難した船の数が多いように感じたのだった。

モニカが気になっているのは、大型船や特殊船の遭難が多かったというだけではなく、それらの船が遭難した場所が、内面に引っかかっているのである。

モニカは、無機物生命体との戦闘が終了した後、世界が、ある程度復旧してきて落ち着きを取り戻した頃に、無機物生命体との戦闘が、どのような状況で行なわれて経過していったのかを調べて、報道番組で特集を組んで放送をした。

その番組の中で、世界中のあらゆる所で繰り広げられた無機物生命体との戦闘が、どこでの戦況が、どうであったのか、調査可能な限り調べた結果を流したのであるが、通信施設がダメージを受けていたり、兵士の目撃証言が、食い違っていたり、あやふやであったりしていて、充分なデーターが得られずに、詳細な状況は不明な部分も多かった。

それでも、大まかには戦闘の行なわれた場所は特定できたのだが、戦闘の初期の混乱や通信設備のダメージなどにより、部隊間の連絡や連携が上手く機能していない戦場も多くて、詳しい戦況の解明は難しかった。

特に無機物生命体が破壊され落下した地点は、幾つかを除いて、およその位置しか分からなかった。