「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

「僕は、何もできないと思うけど、呼んでね」

と微笑みながら言った。

そして無機物生命体との激闘でスティーブが重傷を負い、瀕死の状態で救助され、どうにか蘇生して助かったのを喜びながら

「生きていて良かったね。本当におめでとう。スティーブ・アンド・エリサ」
と祝福した。

昔の事から現在の状況に会話が行ったり来たりしながら、一時間ほど経った頃、モニカが

「私ね、今、調査している事があるの。それはね、キャスターとしてニュースを報道しているでしょう。それで私、気がついた事があるのよ・・・」
と話し始めた。

モニカの話の内容は、ここ一、二年、船の遭難のニュースが多いような気がして、先月から二年間さかのぼって船の遭難件数の概要を調べたのだそうだ。

そうすると遭難件数の数自体は、ここ十年間の年間平均遭難件数よりも僅かに多いだけであり、そんなに突出して多いわけでは無い事が分かった。

それなのに、どうして多く感じるのか不思議に思って調べてみると、遭難件数は例年とあまり相違なくても、船の遭難が大きなニュースになった件数が多いのに気がつき、なぜなのか調査した。

すると遭難した船の種類に特徴があって、例年だと、漁船や小型のボートやヨットなどの、わざわざ全国のニュースで取り扱わなくてもよいか、フラッシュニュース程度の遭難が多いのに、ここ二年間の遭難で目立つのは、大型船や特殊船の数が多くて、全国ニュースで取り扱った件数が多かったのだそうだ。