「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

対処方法といっても、現在の状況では限られている。

核ミサイルを使用して破壊するか、ミサイルが爆発する時の威力を利用して軌道を変えるぐらいしか方法が無い。

しかし、その場合、もし彗星が無機物生命体であればミサイルは無力化されてしまい効果が無い。

まもなく本格的な製造を開始して、運用を始める宇宙戦闘機を使用するとか、木星軌道以内の宇宙空間に配備予定の電子ビーム砲搭載衛星を使用するという方法もあるが、今は、まだ運用前であり、戦術的にも戦略的にも運用方法が定まっていない。

特に、現在、地球の近くに向かって来ている彗星に対しては、保有している核ミサイルを発射するぐらいしか方法が無く、もしも無機物生命体だった場合、地球に接近した所で試験飛行を終了したばかりの宇宙戦闘機や電子ビーム砲搭載衛星を使用するとか、大気圏に侵入して来た場合は戦闘機で破壊するしかない。

どちらにせよ、武力を必要とする為に、地球の近くに接近して来る彗星や小惑星の問題は、安全保障会議で話し合われることに決定したのである。

安全保障会議は翌日の明日午後一時から開催することとなった。

公邸へ戻る途中で、李は、彗星を破壊する話が過熱することなく、安全保障会議で話し合われるというので、まずは安心したが、ここから先、どう話がまとまれば最善であるのか、考えながら歩いていた。


同日の午後六時過ぎ、レストランにスティーブとエリサ、モニカ、アンジェロが揃った。

四日前に今夜は久し振りに友人同士で食事をしようと約束をして、アンジェロが予約しておいたレストランである。