「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

午後一時、会議は科学者や天文学者も参加して再開された。

会議の冒頭、李は

「我々は今から新彗星の処置を検討いたしますが、新彗星を破壊するのが前提の会議ではありません。あくまでも今後、軌道が変化するなどの兆候が現れた場合に、どのような対応をとるかの話し合いであり、将来において同様のケースが生じた時の対応マニュアルとなるべき討論であります」

「そのことを踏まえたうえで意見を述べるように願います」

と述べて、地球へ近づく彗星は、すべて破壊するというような安易な彗星破壊論などが出ないように釘を刺しておいた。

討論が始まると、すべての国と地域が無機物生命体に対しての、恐怖感や不安感を多かれ少なかれ持っているのが明らかとなり、新彗星に対しても多少の温度差はあるものの、不安に感じているのが分かる。

まず問題になったのが判断基準である。

地球に、どのくらいまで接近して来る彗星や小惑星を要注意とするのかである。

彗星や小惑星の通過する位置が、地球からどのくらい離れているかであるが、今回の新彗星と同じ五十万キロから数千万キロメートル以内まで、さまざまな意見が出た。

最終的には、天文学者が意見を求められて、さしあたり地球と月の間の距離である三十八万キロの約二十五倍の距離である一千万キロ以内を通過する星としてはどうかと、コメントがあり、とりあえずは一千万キロ以内ということで合意した。

ただし今後、科学者や天文学者に検討してもらい、判断基準として、もっと適切な距離があれば変更するものとした。