「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

「そうか、原因は、やはり台風だろうか。そうなると探査調査による無機物生命体が全滅した原因究明と残骸を収集しての実態解明は遅れることになりそうだな。解明が遅れることは痛いが、それにしても、ここ一、二年は船の遭難事故が多い気がするな」
と言うと、補佐官

「確かに、そのような感じが致します」
と相槌を打った。

現在は、かなり改善されてきてはいるのであるが、一時期の地球温暖化の影響により巨大台風の発生頻度が多くなり、観測史上最大級の台風も、たびたび発生する。

今回、小笠原東方海域を通過した台風も、それなりの規模であった。

地球温暖化に歯止めがかかり、巨大台風の発生数も徐々に減る傾向にはあるが、自然災害は台風以外のものも含めて、発生件数は地球温暖化以前に比べると、相当多い状況が続いている。

そのような理由で船の遭難事故も、それなりの件数が毎年発生するのであるが、ここ数年は遭難事故が、それ以前に比べると多い気がしているのである。

ただし、あくまでも感覚的なものであり、統計的な数字を見て言っているわけではないので、実際には、どうなのかは分からないのであるが・・・

李は補佐官に、その後の状況が判明次第、伝えてくれるように言い、連合本部ビルに戻り、全体会議に向かった。

午前十時、全体会議が開始され火星復興計画策定会議の結果を報告してゆく。

十一時過ぎに報告が終わったところで、ジョンデイリーが挙手をして