「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

真知子お婆ちゃんが

「さっきの女性ね。表情が、とっても悲しそうなの。だから気になって一緒に御飯食べようって言ったの」

芙美子お婆ちゃんも

「そうそう、何かね、気になるの。理絵ちゃんと初めて会った時の表情も少し暗かったけれど、そんなものじゃないの。理絵ちゃんは次の日の朝には、私たちに来年は一緒に、お四国巡りをしようって言ってくれて明るくなっていたけれど、彼女は、ちょっと心配だわ」

と話しているところへ彼女が食堂に入って来た。

彼女は、先ほど車に乗せてもらった礼を言い、お婆ちゃんたちの隣に座った。

テーブルは四人掛けのテーブルを二卓つなげていて、一方の列に彼女とお婆ちゃんたちが腰を掛けて、向かいの列に由紀たちが座っている。

由紀たちが、彼女を見ると、お婆ちゃんたちが言うように、どことなく思いつめた表情に見える。

彼女が席に着いたところで早速食事を始め、食事をしながら由紀たちは簡単に自己紹介をして、最後に彼女が自分の名前は村井加奈で、住んでいた町は大阪市の東住吉だと教えたくれたのだが、彼女の声には張りが無く、蚊の鳴くような、か細い声で話すので聞き取り辛かった。

由紀たちは理由は分からないが、とにかく元気の無い加奈を元気づけようと、ここまでの巡礼の旅のエピソードなどを話した。話をしているうちに、人食いアメゴやアカメの話を理絵がして