「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

もう少し様子を見てからのことになるだろうと、自分に言い聞かせた。

そこで李は、今後どのように追跡観測をしてゆくのかを訊ねた。

科学者の説明では、今日までに五機のカメラ衛星を打ち上げていて、、無機物生命体が太陽系に進入して来たルートを中心軸として、六十度の角度の範囲内で太陽系の外縁部に向かって飛行している。

一番目の衛星はルートの中心軸に沿うように、二番目は六十度右寄りに、三番目は六十度左寄りに、四番目は三十度右寄りに、五番目は三十度左寄りに打ち上げられた。

最もルートの中心軸から右に離れている二番目に打ち上げたカメラ衛星が、彗星を発見したのであるが、五機のうち三機の飛行コースは、彗星の進むコースからは遠くて観測できない。

そこで五機のうちの四番目に打ち上げたカメラ衛星が、彗星の進むコースに近く、そのカメラ衛星を軌道修正して彗星の観測に振り向けると言う。

また五日後に六機目のカメラ衛星を打ち上げる予定であり、当初予定されていた発射コースを変更して、彗星の進行方向の前面に向けて発射する計画であり、現在観測中のカメラ衛星と合わせて、三機のカメラ衛星で追跡観測をしてゆく予定だと説明があった。

李は科学者の話を承諾し、午後二時から彗星の観測結果の会見報告を行なうように指示を出した。

午後二時、彗星の観測結果の会見報告が始まる。

どのような報告があるのか、注目しているのであろう、報道陣の数が前回の新彗星が発見された発表を行なった時よりも、明らかに増えている。