「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

勇太が
「この辺りは釣りとダイビングスポットが、たくさんあるみたいだからね。そういうお客さんたちからすると、絶好のロケーションなんだろうなぁ」

と言うので、みんなは、そんなものかなぁと思った。

駐車場まで戻ってくると、数台の車が止まっていて、観光客が風景を眺めていた。

由紀たちが車に乗りこみ、駐車場から出て行こうとすると、駐車場の出入り口付近でワゴン車が一台停まっていて、その周囲で猿が、たくさん集まっている。

「いやぁ、いっぱい居るわねぇ」
と理絵が声を上げた。

出入り口の脇に立っている案内板の傍に車を止めて、ワゴン車の様子を見ていると、どうやらワゴン車に乗っている人が、車の窓から、猿に菓子のような餌を与えているようだ。
しかし、与えているうちに、たくさんの猿が集まってきてしまい、困っている様子であった。

ワゴン車の少しあけた窓から外に向かって、菓子を放り投げているのだが、菓子を取れなかった猿は、自分も貰おうとばかりに、窓に向かって跳びかかっているようだ。

ワゴン車の中の小さな子供が半べそで、もうやめようと訴えているのが聞こえてくる。

由紀が立っている案内板を車窓から見ていて

「案内板に、ここの駐車場のすぐ傍に、お猿公園って描いてあるから、そこの猿が寄ってきているのよ。魚梁瀬ダムで見かけた野生の猿も怒ると怖かったけれど、餌付けされた猿も、こんなに、いっぱい集まると怖いわねぇ。少し野蛮だし」