そのまま走って行くうちに、一人の女性が手提げ袋を提げて、道の端を歩いている脇を追い越してゆき、それを見た理絵が
「あれ・・・人の住んでいそうな家も見えないのに、おばさんが歩いていた」
と追い越した、おばさんの歩いている方向を見ながら言った。
後部座席に座っていた由紀も、追い越す時に、おばさんを見ていて
「ほんと~、あの人、どこから、どこに行っているのかしら」
と言いながら、後ろを振り返ってリアウインド越しに、おばさんの歩いていた方向を見た時には、女性は見えなくなっていた。
すると由紀は
「あれえ・・・おばさんが居なくなった。どうしたのかしら」
と呟いた後、
「ひょっとすると、狐か狸が化けていたのかしら」
と言うので、理絵と勇太は思わず吹き出してしまった。
薄暗くて見え辛い上に、道路の周囲は林になっている。
女性は、おそらく林の中にある自宅に向かって道を逸れたか、木の陰に隠れて見えなくなっただけであろうが、由紀が喋ると、本気で言っているのか、冗談なのか、全く判別がつかなかった。
進んでいると、海岸の方向に向かって、ホテルへの方向を示す矢印の描いてある看板を見つけて、矢印の方向の道へ向かってハンドルを切り、脇道へと入って行く。
ようやくホテルに到着した時には、西の空に、ほんの僅かに明かりが残っているだけであった。
「あれ・・・人の住んでいそうな家も見えないのに、おばさんが歩いていた」
と追い越した、おばさんの歩いている方向を見ながら言った。
後部座席に座っていた由紀も、追い越す時に、おばさんを見ていて
「ほんと~、あの人、どこから、どこに行っているのかしら」
と言いながら、後ろを振り返ってリアウインド越しに、おばさんの歩いていた方向を見た時には、女性は見えなくなっていた。
すると由紀は
「あれえ・・・おばさんが居なくなった。どうしたのかしら」
と呟いた後、
「ひょっとすると、狐か狸が化けていたのかしら」
と言うので、理絵と勇太は思わず吹き出してしまった。
薄暗くて見え辛い上に、道路の周囲は林になっている。
女性は、おそらく林の中にある自宅に向かって道を逸れたか、木の陰に隠れて見えなくなっただけであろうが、由紀が喋ると、本気で言っているのか、冗談なのか、全く判別がつかなかった。
進んでいると、海岸の方向に向かって、ホテルへの方向を示す矢印の描いてある看板を見つけて、矢印の方向の道へ向かってハンドルを切り、脇道へと入って行く。
ようやくホテルに到着した時には、西の空に、ほんの僅かに明かりが残っているだけであった。

