手の中には、星のような形をしている砂があって、由紀がそれを見て
「え~、何これ・・・砂なの」
珊瑚の成れの果てである。
理絵は以前、室戸岬で見つけた事があり、知っていたが、由紀は初めて見て、とても喜んでいた。
今夜、泊まる予定のホテルへ向かおうと車に乗りこむ頃には、太陽は傾き、水平線上に広がっている薄雲の中で鈍く輝いていた。
海岸沿いの道を西に向かって移動しながら、由紀が車窓から外を見ながら
「ここまでずーと、祖谷渓や大歩危の方へ向かった時以外には、道沿いに歩き遍路の人を、たびたび見かけていたのに、今、車が走っている道沿いでは、一人も見かけないわねぇ」
と言うので、勇太が
「この道は、次の三十九番へ行くには、遠回りになるから、歩き遍路の人は通らないでしょう。車で参拝する人は、こちらの道を通る方が、色々と見所があるから通るかも知れないけれどね」
と説明した。
道が海岸沿いを離れて、山道に入ってゆく。
今夜、泊まる予定のホテルに近づいた頃には、日も沈み、辺りは薄暗くなってきている。道沿いに人家は見えず、家の明かりも見えない。
「え~、何これ・・・砂なの」
珊瑚の成れの果てである。
理絵は以前、室戸岬で見つけた事があり、知っていたが、由紀は初めて見て、とても喜んでいた。
今夜、泊まる予定のホテルへ向かおうと車に乗りこむ頃には、太陽は傾き、水平線上に広がっている薄雲の中で鈍く輝いていた。
海岸沿いの道を西に向かって移動しながら、由紀が車窓から外を見ながら
「ここまでずーと、祖谷渓や大歩危の方へ向かった時以外には、道沿いに歩き遍路の人を、たびたび見かけていたのに、今、車が走っている道沿いでは、一人も見かけないわねぇ」
と言うので、勇太が
「この道は、次の三十九番へ行くには、遠回りになるから、歩き遍路の人は通らないでしょう。車で参拝する人は、こちらの道を通る方が、色々と見所があるから通るかも知れないけれどね」
と説明した。
道が海岸沿いを離れて、山道に入ってゆく。
今夜、泊まる予定のホテルに近づいた頃には、日も沈み、辺りは薄暗くなってきている。道沿いに人家は見えず、家の明かりも見えない。

