「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

三人は、いずれの日にか盛大にやりましょうと語り合った。

そして二人は李を残して車に乗り込んだ。

二人が乗った車が出てゆく・・・

李は二人が乗る車が去ってゆくのを見つめていた。




「夜中は、けっこう降っていたわねぇ」

朝食を食べながら、真知子お婆ちゃんが言った。

由紀たちが祖谷渓で泊まった時に降った土砂降りの雨ほどでは無いが、夜半過ぎには本降りの雨が降っていた。

「そうなの、私よく眠っていたから全然気がつかなかった。そんなに降ったの」

由紀が隣で食べている理絵に訊くと

「私も、今朝まで、ぐっすりと眠っていたから、知らない。勇太は気がついたの」

と理絵が今度は勇太に訊いているが、勇太も知らなかった。

昨夜は鯨やアカメの話で大いに盛り上がり、寝るのが、いつもよりも遅くなってしまった。

芙美子お婆ちゃんと紀恵お婆ちゃんは、明け方にトイレへ行きたくなって目が覚めた時には、そんなに降っていなかったと言い、気がついてなく、知っていたのは夜中にトイレに行った真知子お婆ちゃんだけであった。

ホテルから出る時には、雨は、ほとんど上がり、時折、小雨がパラパラと舞い落ちてくる程度であったが、風は強く吹き、まだ低い雲が残っており、どんどん東の方角へ向かって流れている。