【雪男ー8】


体も疲れ、
お腹も減ったので
大久保は

「そうだ、
何か食べましょうか?
どうですか刑事さん達も」




大久保の質問に
田崎は照れながら答えた



「私は
もういただいたので
結構ですよ」



すでにお腹がいっぱいで

さらに
二度いただくなど、
田崎には恥ずかしくて
到底できないことである



白井は急に立って
大久保の方を向いた。



「俺はもらうよ。

この刑事とは違い
勝手に人ん家の食料
食ってないしな。

…材料もらっていいか?」



やはり白井は
お腹がすいていたので
ある。



「どうぞ、いいですよ」



と大久保は
ニッコリ答えた。



「俺がアンタ達の分まで
作るから、
チョット台所借りるぜ」



そう言うと
白井は台所に行った。




そんな些細な行動にも
田崎は目を光らせ、
見張っている。




なんといっても
手錠を外したままだ。


いつまた逃げられるか
分からない。




かといって、
大勢の前で
「こいつは殺人犯です」
などと言って手錠を
かけたら、

パニックになり、
この吹雪の中
放り出されるかも
しれない。




そんなことになれば
どんな面倒なことが
起きるか分からない。


それなら
ずっと監視している方が
まだマシである。




だが、
このように思って
いるのに、

心の底では
ただ大勢の前で
手錠を掛けるのが
可哀想だ。
という気持ちがあるのは
田崎自身気付いていない



台所は吹き抜けで
わざわざ立たなくとも、
白井の姿が見えるので
十分見張れる。



しかし、
あいつが料理を
作れるとはな………