【雪男ー7】


「なぜ
そんな危険な男を
追うのですかな?」




田崎の質問に
小川が代わりに答えた。




「そりゃあ
決まっているだろ。

俺たち猟師は
獲物がでかければ
でかいほどいいんだ。

相手がただの犯罪者なら
こんなことしないが、
未確認の人間だぜ?
こんな大物
放ってく俺らじゃない。

俺らの仲間も
だいぶやられた
みたいだし、
もしただの殺人犯なら
捕まえて
警察に引き渡すしな」




彼らは個々として
地元でも有名な
猟師なのである。




しかし、
彼らにとって
大物という大物は
今まで出会っていない。




そこで
この雪男の噂を聞き、
興味を持った。




ただ狩るだけでは
つまらないということで

有名な猟師を
各地で集め、
競争することになった
のだ。




無論
最初に言い出したのは
小川であり、

いち早く雪男を見つけ
この競争に勝ち、

優越感に浸ろうと
思っているのである。




「雪男をなめすぎだ」




急に白井が話し始めた。




そして続けて


「あんた達
村の者じゃないな?

村に住んで浅い俺でさえ
こう言ってるんだ、
間違いはない」




小川は失笑しながら
言った。




「クク……
何を言い出すかと思えば」




「あら、
横顔しか
見てなかったから
分からなかったけど、

よく見たら結構いい
男じゃない」




川上は
白井の顔をマジマジ
見ながら言った。




それを見た小川は
面白くなさそうだ。




「お、おいさゆり」




しかし、
そんな小川を
無視するかのように
川上は話を続ける。




「大丈夫よ、
私たちはプロだもの。
心配は無用よ」




「だがプロでも
油断すると危険だ。
注意した方がいい」




「ご忠告ありがとね。
でも平気よ」




白井は川上に対して、
それ以上は
何も言わなかった