【唐辛子団子ー4】


こうして
軽快に登って行くと、

またも
カモシカの死骸の
ところまで

戻ってきた。






「ハア、
一体ヤツは
どこにいるんだ……」






と、ふと死骸を
見下ろした。






(………!!)







ここで小川は
ある異変に気付いた。





「な、なんだこれは」





カモシカの死骸を
良く見ると、

先程と見た時と
明らかに違っていた。





田崎達と来た時は
首の骨が折れていた
だけであったが、

その体は
肉体を食い破られた
ように裂け、

内臓などの臓器が
こちらを覗いている。






近くに行くと
酷い異臭である。






これを見た小川は
さすがにゾクっとし、

自分の中で
血の気が引いていくのを
感じた。






こんなことならば、
まだ
死骸が消えている方が
マシである。






異常なまでの
この食い荒らされた
ような
残酷な風景に、

小川は恐怖を感じたのだ






「う……
これもまさか
雪男の仕業……?」





問題は
いつこうなったか?





小川は洞窟に行く時と、
そこから戻って
林道を下る時の二回
ここを通っている。






しかし、
二回ともこの死骸を
シッカリと
見ていなかったので、

いつ
このようになったのか
分からないのである。






これが、
田崎達の去った後に
起こったことならば
いいが、

小川が
一人で洞窟に
行っている間や

下っている時に
起こったことならば……






妙に周りが静かに感じる





……とその時






ボト!





森の奥から
何か音がした