【二人目の死者ー13】


そう思っていると、
大久保が話しかけて
きた。






「他には
雪男の証拠は
ありませんでしたか?」






「ん……
まあ特にはないね」





見る限りは、
足跡すら
見つからなかった。





「そうですか………」






「それよりも

今回はあの小屋に、川上さんが居ると
分かっていて

雪男は入ったのか
謎だよ」







「川上さんを
殺害するために、

雪男は忍び込んだんじゃ
ないのですか?

ならば、
何のために
あの小屋へ………」






「川上さんは
『雪男が我々の居る
家の方を狙い、
この小屋に
一次的に潜むために
入るところを狙う』と
言っていましたよ」





「じゃあ
川上さんが小屋に居ると
知っていて入ったか、
潜む為に入ったのかの

2通りがありますね」






さすが
大久保は理解力が高い。





白井とは大違いである。






「その通り!

もし後者ならいいが、
前者なら
なぜ川上さんが
あの小屋にいるのが
分かったかが
問題だね」






「そうですよね!

雪に紛れて
この近くに
隠れていたって
ことですか?」






「それしか考えられんな

そして、
小屋に耳を当てて
聞き耳を立てていたの
かもしれん。

ワシと川上さんの
会話をな……」






となると、

今でもこの辺りに
潜んでいる可能性がある






この吹雪く中、
自分達の命を狙う
殺人犯が、

今も外で
身を潜めていると
考えれば、

ゾクっとする。







「もはや
吹雪が止んだとしても、

外に出るのは
危険ですね」







「うむ、
朝まで待つしかないか…」






と言うが、
まだ夜の1時になった
ばかりで

朝まではまだまだ遠い