【二人目の死者ー12】


「そう、
俺は下戸なんだよ。

アンタと違ってな」




田崎は一瞬ギクッとした




「ワシは
アルコール苦手だよ」




「それを言うなら
『ワシも
アルコール苦手』だろ?

まあ、
そうゆうことに
しといてやるか」




と茶化すように言った。




(何で
一度も言ってないのに

白井には、
ワシが大の酒好きだと
言うことが
分かったのだろう?)




こんなことを思って
いたが、

白井は
何気ない会話の中で、

田崎が酒好きと言うのを
気付いたのである。




「さて、
俺は横になるかな」




「相変わらず気楽だね」




それを聞いた白井は
鼻でフッと笑い、

そのまま横になった。




田崎は
それをずっと見ていた。




本当にこれが
殺人を犯した凶悪犯
だろうか?




間違えて逮捕している
可能性もあるように
思えたが、

等の本人が犯行を
認めている。




田崎にとって
雪男も気になるが、

白井の方も
気になっていたのである




それに先程、
小川が川上に触れる時も

証拠に触れないようにと
注意しようとした田崎を
止めたこと。




もし、
自分が小川と同じ
立場なら、

証拠であっても
死体に触れていただろう




だが、
死体を触れずに
証拠を残さなければ、

犯人が
分からなくなるかも
しれない。




人としての
モラルを取るか
証拠を取るか……




世間一般では
どちらが正しいか
分からないが、

田崎にとって
よくよく考えれば、

モラルの方が大事である




先程はいつもの癖で、
死体に触らないようにと
小川に
言いそうになったが、

それを
白井が止めてくれたのだ




白井は迷わず
人としてのモラルを
取ったのだ。




犯罪者が
モラルを取るなんて、

矛盾だらけの男だな……