【車酔いー16】


「なんでですかね……

他には
何か犯人について
情報ありませんか?」






「う~~ん………

犯人の顔も
吹雪で
よく見えなかったし…

後は特にないな……」






「そうですか。

いや、
それだけ聞ければ
十分ですよ。

どうも
ありがとうございます」






と内藤は一礼した。





「上司さん、
無事ならいいね。

本気で
あの山まで行く気かい?」






「いえ、
山の麓まで行くだけです

村から山を越えれば
すぐに町ですから、
町側の山の麓に
行くことにしてみます」






「じゃあ、気をつけて。

下り坂は
凍って危ないから」





「これは丁寧に…
ありがとうございます」






内藤はそう言うと
ギアを入れた。






しかし、
車が発進する前に

山本が
助手席のドアを開け、
外に降りた。






「すみません。

長話
ありがとうございました

おい、運転代わるぞ」





と軽く男に礼をして、
運転を代わろうと
ドアの横に立った。






慌てて内藤はギアを戻し

ドアを開けて
山本と運転を交代した。






山本は
クラクションをプッと
軽く鳴らすと、

車は発進して
行ってしまった。






それを
男は見送っていた。





顔は少し驚いた
感じである。







「ビックリした……
隣にも人が
乗っていたなんて…

暗くて分からなかった」






と小さく呟いたのだった