【車酔いー12】


「へ?
それもあるが
もっとヤバイのは、
例の犯人のことだよ。

やっぱり
今日その事件を
知ったばかりじゃ、
吹雪のことを
知らないのも
無理はないか……」





「どう言うことです?」






「この山は
ただこの時期登っても
犯人に襲われることは
ないんだ。

でも吹雪に出会うと、
犯人は雪と共に現れ
人の命を奪う。

そして、
吹雪が止むと
犯人も消えることから
「雪男」と言う名が
ついたのだよ」






このことは、
内藤は知らなかった
ことである。







てっきり雪山に登れば、

確実に
命を狙われるとばかり
思っていたので、

吹雪に出会わない限り
襲われることはないと
聞いて、

少しホッとした
感じである。






「そうですか、
それにもし出会っても
拳銃を持っていますから
安心ですよ」







「いや、
吹雪に出会ったら
もう駄目だ……」






男はうつむいて喋った。






「拳銃を
持っているのにですか?」







「銃を持っていようが
いまいが、

雪男には関係ないよ」






「何故です?」






「実は……

…私は数年前あの山で、
雪男に出会ったことが
あるんだ」







と男は青ざめた表情で
言った