「ユアリス。ユアリス起きなさい」


「……ん?」


「ヴェルディナ国に着きましたよ」



…あんなに緊張していたのに眠ってしまったらしい。


わたし、意外と図太い神経をしているのね。



馬車を下りると、目の前にはとても大きなお城が建っている。


ティアル国の城も立派だが、ヴェルディナ国はそれ以上かもしれない。



「ユアリス様。ティアル国王、王妃様。タトス様ようこそいらっしゃいました。わたくしは、ヴェルディナの一介の執事ベルトと申します。どうぞお入り下さい」



わたし達はヴェルディナの執事に案内されるがままに城へ入った。