【短編】シャーペン




静まり返った空気と、必要以上に重い空気が私にズッシリと襲いかかった。



「何やってんだよ…」



本当に、何やってんだろうね…
自分でも不思議なくらいにわからない。


とにかく危ない状況は掴めてる。



「…もしかして、覗いてたの?」



美亜ちゃんの甘ったるい高い声が、弱りきった私の心に響いた。



結的に覗いたことになるんだけど、好きで覗いてたんじゃないし。


誰が、波留の告白現場なんて見たいものですかっ!!



「…そうなのか?」



波留のその一言が胸にグサリッと突き刺さった。

美亜ちゃんの言うことを真に受けちゃうんだ・・・



「茜はそんなことしねぇ!!」



って言ってほしかったかも。