社員寮でラブ!

「うちに何かご用ですか?」

そんな声に振り向くと

そこに品のよさそうな年配の女性


「あ・・」

それは一度だけ会った壁下さんのお母さんで・・・

「あら?あなた一郎さんの・・・」

一度しか会ってないのにお母さんもすぐに気がついてくれて


挨拶挨拶

って思って


しゃべろうとしたら

「始めまして!

私、一郎さんの同僚の篠原と言います。

一郎さんのお姉さまでいらっしゃいますか?」


私が挨拶と思っているうちに

篠原に先を越され

・・・ってゆ~か篠原のヤツ『お姉さま』とか言ってるし

「あらヤダ。お姉さまじゃなくて母よ。」

「ええっ!?こんなにお若いのに?」

「まあ!篠原さんったらお上手ね。」


やっぱり年の功には勝てないの?


「あの、レナです。

ご無沙汰しておりました・・・」

篠原と壁下さんのお母さんがいい感じに和んでるところに

頑張って割り込んでみた

「そうそう、レナさんよね?

沖縄のお式以来よね?」

そうです。お式以来です。


今さらだけど

気まず過ぎる

ああ・・なんでちゃんとこっちに帰ってから挨拶に来なかったんだろう?