【ワンコー12】
ビチャ!
おびただしい血が、
小さな口から流れ出る。
その弱った体を必死に
起き上がらそうと
ワンコは空を見上げた。
強く前足を地面につけ、
ワンコは最後の遠吠えを
し始める。
「ワン!ワン!ワン!」
まるで朋樹にお別れの
挨拶をするかのように
何度も吠え続ける
本当に、
何度も…
何度も……
そうして
ワンコ声が枯れる頃、
ゆっくりと地面に
その身を寝かせ、
静かに目を閉じていった
「ワンコ…」
優しく抱きかかえる朋樹
看護婦さんも、
とても悲しそうな目を
している。
「芦田さん……
きっとワンコは幸せ
だったと思うよ。
こんなに大事にされて…」
「……そうですね。
…看護婦さん……
ワンコは何でこんなに
最後まで元気に
吠えてたのかな?
自分が死ぬって
分かってるのに、
なんで…?」
ビチャ!
おびただしい血が、
小さな口から流れ出る。
その弱った体を必死に
起き上がらそうと
ワンコは空を見上げた。
強く前足を地面につけ、
ワンコは最後の遠吠えを
し始める。
「ワン!ワン!ワン!」
まるで朋樹にお別れの
挨拶をするかのように
何度も吠え続ける
本当に、
何度も…
何度も……
そうして
ワンコ声が枯れる頃、
ゆっくりと地面に
その身を寝かせ、
静かに目を閉じていった
「ワンコ…」
優しく抱きかかえる朋樹
看護婦さんも、
とても悲しそうな目を
している。
「芦田さん……
きっとワンコは幸せ
だったと思うよ。
こんなに大事にされて…」
「……そうですね。
…看護婦さん……
ワンコは何でこんなに
最後まで元気に
吠えてたのかな?
自分が死ぬって
分かってるのに、
なんで…?」



