【ワンコー9】
「芦田さん!
また入院証のバンド
なくしたの!?
ダメじゃないの!!」
そう怒るのは
病院でも有名な
口うるさい看護婦さん。
いつもは騒がしく思う
小言も、
今は聞き流すように
朋樹は軽くあしらった。
「はいはい!
ゴメンナサイ!!
次から気をつけま~す!」
そう言い、
朋樹は急ぐように病室を
飛び出した。
ワンコの餌の時間である
「あっ……!!
……ったく人の話も
聞かないで~」
そう言うものの、
最近の朋樹の行動を見て
何かに集中している
ようなので、
少しは気が紛れることを
見つけたんだと思うと
看護婦も見てて安心する
それはそうだ。
別に看護婦も、
絶望感を持つ患者を
見たいワケではない。
こうして、
何でもいいから
自分の病気を忘れ、
何かに夢中になって
ほしいものである。
そんな朋樹は、
今日もワンコに話をする
「おうワンコ。
また今日看護婦に
怒られたよ。
入院証なくすくらい
大目にみてほしい
もんだよ」
腕に何かつける習慣が
ない朋樹は、
バンドが邪魔で
すぐどこかへ
置き忘れてしまう。
おかげで
あの看護婦に何度
怒られたことか…
そんな朋樹の些細な
出来事も、
みんなワンコに話して
いる。
「…ワン」
今日も応えるが、
あまり元気のないような
気がする。
「……」
そんな様子を
静かに眺める朋樹。
やはり、お互い
死の病だけあって
何かを感じ取った
らしい
「芦田さん!
また入院証のバンド
なくしたの!?
ダメじゃないの!!」
そう怒るのは
病院でも有名な
口うるさい看護婦さん。
いつもは騒がしく思う
小言も、
今は聞き流すように
朋樹は軽くあしらった。
「はいはい!
ゴメンナサイ!!
次から気をつけま~す!」
そう言い、
朋樹は急ぐように病室を
飛び出した。
ワンコの餌の時間である
「あっ……!!
……ったく人の話も
聞かないで~」
そう言うものの、
最近の朋樹の行動を見て
何かに集中している
ようなので、
少しは気が紛れることを
見つけたんだと思うと
看護婦も見てて安心する
それはそうだ。
別に看護婦も、
絶望感を持つ患者を
見たいワケではない。
こうして、
何でもいいから
自分の病気を忘れ、
何かに夢中になって
ほしいものである。
そんな朋樹は、
今日もワンコに話をする
「おうワンコ。
また今日看護婦に
怒られたよ。
入院証なくすくらい
大目にみてほしい
もんだよ」
腕に何かつける習慣が
ない朋樹は、
バンドが邪魔で
すぐどこかへ
置き忘れてしまう。
おかげで
あの看護婦に何度
怒られたことか…
そんな朋樹の些細な
出来事も、
みんなワンコに話して
いる。
「…ワン」
今日も応えるが、
あまり元気のないような
気がする。
「……」
そんな様子を
静かに眺める朋樹。
やはり、お互い
死の病だけあって
何かを感じ取った
らしい



