【ワンコー8】


―――その日から

朋樹とワンコの生活が
始まった。







まあ
生活と言うより、
朋樹は何かを観察する
ように
ワンコと接している。








「ワン!!」







「相変わらず元気が
いいな…

今日の検査、
また良くなかったよ…
もう…ダメなのかな?」









ワンコはそれを
感じたか分からないが

励ますように朋樹に
エールを送る。







「ワン!ワン!ワン!」







すると、
朋樹はまたブツブツと
つぶやき始めた。







「そうか…
そうだよな…
生きるってそう言うこと
だよな…」








何かを納得するように
うんうんと
1人で頷く。







ついに頭まで病気が
まわってしまったのかと
心配ものである。







しかし、
前のように絶望に満ちた
顔はしなくなった。







とにかく今はワンコの
「何か」を観察する為

日々集中しているようで
ある