【ワンコー7】


「……看護婦さん…

この犬僕が世話をして
いいですか…?」







突然の朋樹の申し出。


一体、何を
考えているのだろう?







その頼みに、
看護婦はニッコリ答えた







「ええ、いいわよ。
でもあまり感情は移入
しないようにね?」






その言葉の意味は分かる




もうすぐ死ぬのに
可愛がっても
後が辛いだけ。






しかし、
どうやら朋樹は
ペットとして飼う
つもりはないらしい。








「大丈夫ですよ。

…この犬の名前は?」








「名前はないのよ。
良かったら
芦田さんがつけてあげて」







看護婦は情がうつると
いけないので、
あえて
名前は付けていなかった







すると、
朋樹は何も考えずに
すぐ名前を即決した。







「じゃあこの犬は
今日からワンコだ。

ヨロシクなワンコ!」






安易な名前……

下手したら
ポチやケンよりも
簡単な名前である







「ワン!!」







しかし、
犬は気に入ったのか
その名前に強く反応する







「フフ、喜んでるわね。
じゃあこの子……

じゃなくて、ワンコの
面倒ヨロシクね」







「はい!」







その言葉に、
朋樹は強く頷いた