【ワンコー6】
………
上から黙って見下ろす
朋樹。
その犬の様子を
ジックリ眺めていた。
「ワン!」
両目は見えずとも、
その犬は元気に尻尾を
振っている。
「触ってみて?
きっと喜ぶわよ」
どちらかと言うと、
犬は嫌いではないので
看護婦に言われるまま
犬をひとなでしてみた。
「クーンクーン」
おお、
どうやら喜んでいる
ようである。
「この犬……
目は治らないんです?」
「この子、この目が
病気じゃないのよ?」
ん…?
病気に犯されてるのに
目が病気じゃない?
どういうことだろう?
朋樹が考え込むと、
看護婦は続けて話をする
「この子、
脳から来る病気の為に
目の神経までやられて
いるのよ…
獣医でも治せないの。
寿命もあと数日なのよ」
この犬…
もう死んじゃうのか?
自分と同じ死の病……か
「ワン!!」
突然犬が
元気に鳴き出した。
「フフフ、
元気だけは他の犬より
いいのよ。
この子も自分の寿命が
分かってるけど、
それでもいつも元気なの」
………!
その言葉に少し固まる
朋樹。
その固まった目で
また黙って犬を眺めた
………
上から黙って見下ろす
朋樹。
その犬の様子を
ジックリ眺めていた。
「ワン!」
両目は見えずとも、
その犬は元気に尻尾を
振っている。
「触ってみて?
きっと喜ぶわよ」
どちらかと言うと、
犬は嫌いではないので
看護婦に言われるまま
犬をひとなでしてみた。
「クーンクーン」
おお、
どうやら喜んでいる
ようである。
「この犬……
目は治らないんです?」
「この子、この目が
病気じゃないのよ?」
ん…?
病気に犯されてるのに
目が病気じゃない?
どういうことだろう?
朋樹が考え込むと、
看護婦は続けて話をする
「この子、
脳から来る病気の為に
目の神経までやられて
いるのよ…
獣医でも治せないの。
寿命もあと数日なのよ」
この犬…
もう死んじゃうのか?
自分と同じ死の病……か
「ワン!!」
突然犬が
元気に鳴き出した。
「フフフ、
元気だけは他の犬より
いいのよ。
この子も自分の寿命が
分かってるけど、
それでもいつも元気なの」
………!
その言葉に少し固まる
朋樹。
その固まった目で
また黙って犬を眺めた



