【秋の木枯らしー1】


――季節は過ぎ去り、
入院してから半年。

木枯らしの吹く
秋の季節がやってきた。







週に何度か検査を
行うようになり、

体重も数ヶ月で
10キロ以上も
落ちていた。







病気のせいか……?


はたまた精神的に
病んでいるせいか……?







まあ、
もうどちらでもいい…







アレから幾度となく、
千里を忘れようと
必死に努力をした。






しかし、
努力の結果虚しく
いつまでも
忘れられないでいる…







いっそのこと
もう死んで、

苦しみから逃れたいと
思っているくらいだ。







だけど、
親のために少しでも
長く生きていたい。






結局どうしようもない。







蛇の生殺しみたいな
もんだ。







「千里…」







一枚一枚
落ちてく枯れ葉を見つめ

朋樹はボーっとしていた







連絡は一度もないまま

平和な日々を
過ごしている。








今日は数日ぶりの
外に出るのが
許されてる日だ。







最近はこの日を楽しみに
している。








病室に居るよりも、
気分がさえるからだ。




要は、気が紛れる。







「さて、行くか」







朋樹はそう言って、
病室を後にした