【アナタを想う為にー13】


何も言わず、
部屋に入る朋樹。







もちろん
両親も何も言わなかった







ボフンと
布団に倒れ込むと、
千里のことを
頭に浮かべた。







「千里…」







千里からメールはない…







千里の性格は
分かっていた。



どれだけ辛くても、
千里から連絡来ることは
無い。







朋樹に他の女がいると
思っているので、

朋樹の幸せを邪魔しない
為に、
連絡はしない。







こちらから連絡をすれば
話は別だが、
そんなことをすれば
計画が全て水の泡だ。







「……」






ピッピッピッ…







携帯から
千里のメモリーを
消去する朋樹。








自分の意志が
崩れないようにする為だ








会いたくなって
真実を言わないように
と…







電話番号も

アドレスも

届いたメールも

2人の画像も…








全ての千里の思い出を
携帯から消去した