【アナタを想う為にー10】


日は暮れ、
小高い丘から
遠くの千里のアパートを
眺めていた。







先程から
涙が止まらないでいる。







おかしい…

昨日から水分は
取っていないハズなのに
涙が止まらない…






そう思い、
潤んだ目で
遠くをジッと見つめる。







涙でぼやけた
アパートの光が
うっすらと輝いて
見えていた。







もう
あそこに行けれない…






いや、
この街自体
もう来れない…







いつもの駅…


いつもの通り道…


いつもの公園…


いつものアパート……






当たり前にあったことが
一瞬にして
消えてしまった。







すくった幸せが、
砂のように手から
こぼれ落ちるのを感じる







もう、
千里に会えないと思うと
悲しみが止まらない…








いつまでも
いつまでも
止まることはない…