【いつか終わる夢ー21】


医師は腰掛け、
ジッと朋樹の顔を
見つめた。







「な、なんですか…?」







そう言う朋樹に
医師は頭を振った。







「これは隠しても
どうにもならない…
いずれ気付くだろう。
だから両親に話したし
君にも聞いてもらいたい」







言っている意味が
よく分からない。



何の話だろう…?







「俺…
どうして
倒れたんですか?
誰かに殴られたとか?
それとも貧血とか…?」







「………」







先生は何も言わず、
引き出しから
何かのカルテを出した。







「これは
五日前に診断した
君のカルテだ」







は……?

五日前…?







病院で診察なんて
受けたことは
ここ数年ないのに、
どういうことだろうか?







「俺のカルテなんて
あるはずが…」







五日前…?

そう言えば五日前は
確かこの病院にいた。




千里の診断を聞きに。






しかし、
千里は診察されても
自分は
何も検査されていない。







医師は朋樹の手を握ると

なだめるように
話し出した