【いつか終わる夢ー9】


そこには、
千里が元気な顔で
椅子に座っていた。







「ち、千里!?
大丈夫なのか??」







「うん、大丈夫。
心配かけさせちゃったね」







すると、
医師が口を開いた。







「安心してください。
ただのインフルエンザ
です。
先程点滴しましたので、
熱もひいてくるでしょう」







インフルエンザ…




良かった…

変な病気じゃなくて…








一気に朋樹の力は
ヘナヘナと抜けた。







「入院することも
ないので、
今日はお薬だけ出して
おきます。
早く帰らせて、寝かせて
あげてください」







その為に、
わざわざ医師は朋樹を
探し、
呼び出したのだ。







ともかく、
大事に至らなかったのが
幸いだ。








「ありがとうございます

でも、
あんな顔色悪くても
本当に
大丈夫なんですか?」







あんな高熱を出した
人間を間近にすると、

やはり後々が心配である








「一応
検査はしておきました。
また何かあれば病院に
来ていただき、
薬を出しますよ」






まあ、
医師から見て千里は
完全にインフルエンザ
なので、
検査をするまでもないと
思っているくらいだ。








「とにかく今日は
栄養のあるものを
食べさせて
あげてください。
あとは休むだけですよ」







「分かりました。
どうも、
ありがとうございました」








深々とお礼をする朋樹。








千里は
そんな頼もしい朋樹を
見て、
安心を感じていた