【いつか終わる夢ー7】


朋樹は
待合室の椅子に腰掛けた








「千里…」










本当に心配だ。

あんな苦しそうにして…






熱なんかも、
以上に高かった…






もしかして、
このまま死んじゃうん
じゃないかと、
朋樹は心配でならない。






長い……





いや、
長いように感じる
だけだ。







時計の針は
まだ到着して
3分も経っていない。








隊員の話によると、
診察には
しばらく時間が
かかるようである。






待ち続けるこの時間が
長く感じて
耐えられない。








「…ん?」








ふと外に目をやると、
献血の車が止まっていた








う…

あれを見ると背中が
凍りつく。








大の注射嫌いの朋樹に
してみたら、
献血など言語道断。







千里と違い、
小さい頃から健康体の
朋樹にとって、
病院自体もあまり
居心地のいい場所では
なかった。








「………」







しかし、
朋樹は何を思ったか、
病院を出て
献血車に近付いた。






「あ、献血ですね?
ありがとうございま~す」







その問いに、
朋樹は静かに頷いた。






何故注射嫌いの朋樹が
すすんで注射を…?




そう…
朋樹は
千里の診断結果が出る
この時間に耐えきれず、

注射の恐怖で
気を紛らわせようと
しているのだ。







今まで怖くて一度も
したことがなかった
注射。

一生するもんじゃないと
思っていた。


だが、
こんなに簡単に
その意志が崩れる程に
千里のことが心配で
ならないのだ