【いつか終わる夢ー4】


「起きれるか?」









そう言い、
朋樹は千里を抱き起こす









「うん…ありがと」







朋樹に言われるまま、
千里は何となく答えた。








風邪のせいもあるが、
千里はまだよく状況を
把握していないようだ。







それもそうである。


突然目の前に朋樹が
居るのだから。







「食えるか?
栄養つけなきゃな」








ホカホカ湯気立つ
お粥を前に、
千里は一つ頷き
手を差し出した。










「うん、食べる」







一口食べると、
その暖かさが口
いっぱいに広がった。








「早く元気出してな」






お粥の温かさより、
その朋樹の優しい
言葉が
何より千里を温めた
のだった