【淡い日々ー18】


千里は今、
1人暮らしをしている。



…と言っても、
ほんの1ヶ月前くらい
からである。








もともと北海道出身の
千里は、
父親の転勤で各地を
転々としていた。










しかし、
この街で大学が
決まった今、
ここを離れるワケには
いかないので、

再び決まった
父の転勤の時に、
千里はここに残るよう
家族に言われたのだ。









…まあ
大学が決まらなくても、
千里は朋樹と離れるのが
一番イヤなので、

どの道この街に
残っていただろう。








朋樹とのことは、
家族も承認している。










千里が1人暮らしする際
父親に面倒よろしく頼む
と言われたくらいだ。








「クスクスクス」










それを思い出した
千里は、
自分の父親と
朋樹のやりとりに
まるで結婚報告を
したかのようで
少し可笑しかった。








でも、
本当にもう2人は結婚を
決めている。








それは二人が、
共に二十歳になったら
結婚すると約束している
のだ。









朋樹は就職して
千里の大学の卒業まで
働き詰めて、

その結婚資金を貯める
予定であった