MISS YOU

【幻ー４】


「あ…こんにちは」






「すっかり元気になった
みたいだね。
良かった良かった」






千里は少し
ビックリしていた。






患者からしても
先生の顔を覚えるのは
難しいのに、


毎日患者を診てる先生が
よく自分の顔を覚えてる
なんて…






しかも
自分はただの
インフルエンザ。

一年前
たった一度だけ来た
患者を覚えてるなんて
尊敬に値する。







「凄いですね。
私なんかを覚えてくれる
なんて、ビックリです」







千里はこうゆうことも
思ったら口にしてしまう







「そりゃ君達のことは
覚えてるさ」







凄い……



朋樹のことまで覚えてる
みたい…






相当
記憶力がいいんだなあ…







「それに
あんな病気が発覚したら
医師として覚えてる
もんさ」








…ん？







「あんな病気？
私のインフルエンザが
そんなに珍しかったの
ですか？」








「いやいや君じゃなくて
彼の方だよ。

血液の難病は珍しい
からね」







え…？







血液…？

難病…？







「どうゆうことです？
難病って…？」






その様子を見て
医者は不思議に答えた。







「知らないのかい？
芦田…さんだったかな？

彼は一度駅で倒れて
ここに運ばれたんだよ？」