音に囲まれて 見たことも無い笑顔で ギターをかき鳴らして歌う、アイツは。 別人、みたいで。 俺は、ただ驚愕した。 今まで心の中で描いていた「アイツ」が、音を立てて崩れていく瞬間だった。 …もうその時に既に、俺は俺が向き合うべきものが何なのか、感じ取っていたのかもしれない。