「翔が好き」。 こんな短い言葉を、あたしは今も言えずにいる。 何を守っているのかな? 嘘ばかりのあたしは、一体何がしたいのかな? 「梓も協力してくれるよね?」 「うん。もちろんだよ!付き合えるといいね」 ああ。 たしかこんなこと、前にもあったな。 あれはたしか中学の時。 「協力するね」と口では言って、心は大きな悲鳴をあげる。 最初から素直になれば良かった。 あたしはどこに向かって進んでいるの? 翔。 ただ、そばにいたかっただけなんだよ。