「さ、相楽祐希です。今日はよろしくお願いします!!」

「う、うん。ありがとう、相楽…さん。こっちこそ、よ、よろしくっ」

堤さんは思ったよりも赤面症で緊張しいらしかった。
なんだ、世間的に言う『ツンデレ』？

「んな緊張せんでも大丈夫やでー？コイツ芸能人とは言うけど未だにへこへこしてる単なるヘタレや!!」

「り、理亜さんっ」

「あっはっは。ま、今日はよろしく頼むで、杏奈ちゃん!!」

「う…うん。今日はよろしく頼む、理亜ちゃん!!」

堤さんの言葉に、理亜さんは少しきょとんとした顔をして「ワシ、ちゃん付けで呼ばれたん何年ぶりやろ」なんて嬉しそうに笑っていた。
なんだ、何だかんだ厳しい事言ってもちゃんと『女の子』なんだ。
しかし先入観は怖い。もしかしたら、僕はそんな狭い世界の中で生きてきたのかもしれない。

僕はいろいろなことを知らなさ過ぎだ。