そこはもちろん帽子屋さんの部屋の真ん前。
そこで帽子屋さんと
再会した(当たり前。)。
のは良かったんだけど…
「アリス。もう紅茶のおかわりは
宜しいのですか?」
ここにきて数十分。
果たして紅茶を何杯
飲み干しただろう。
帽子屋さんはといえば、にこにこと笑顔を崩さないで私の顔をジーッと見ている。
「な、何かついてる??」
「ええ、可愛らしいモノが付いていますよ。」
何にも食べてないんだけど…
不思議に思い指で唇をなぞる。
うん、やっぱり何にも付いてない。
「何にも付いてなんか…ッ
きゃあッ!」
ドサッ
背中には棘が刺さった様な痛みと薔薇の柔らかな感触。
そして、
目の前には
帽子屋さんの綺麗なアメジストの瞳が映った。

