─ Alice ?─





この人、アブナイ。


体がそういってる。
震えが、止まらない。



「チ…チェシャ猫お!!
どこ!?ねえッ…」


恐怖を
払いのけるため
思わずチェシャ猫の
名を呼ぶ。




「ねえチェシャ猫!!
チェシャ猫ってば…」



だんだん
声が震えてくる。




怖 い 。



真紅の瞳は常に
私を捉えていて、

顔は笑っているのに
目は怒りに
満ち溢れている。





『……何故です。』


え??




『何故、あなたは
私の名では なく




猫 の名を
呼ぶのですか…?




あなたは私の名だけ
呼び続ければ
いいのです…。


さあ、ア リ ス ??
呼んでくださイ。






私の 名 を。』