私が望んだ。
そう言い切る彼はどこか嬉しげだった。
「あなたは…誰なの?」
「僕は君の好きな人。」
彼の言葉は私にはよくわからなかった。
「私の好きな人って…どうしてそう言い切れるのよ。」
「アリスがそう言ったから。」
当たり前のように言う。
クスクスと笑いながら、彼は楽しげに話す。
「アリスは忘れてしまった。僕のこと。でも安心して。すぐ思い出すよ。全て。
消したい記憶も全て。全て、ね。」
海の中にゆらりと揺れた、影。
見覚えのあるシルエット
忘れていたかった あなた。
「待っていたよ。僕のありす。」

