─ Alice ?─




頭に浮かぶ二人の少年の顔


そっくりな双子の少年


名前は何だったかしら



「「 アリスお姉さん 。」」



そう、私のことをお姉さんって呼んでいた。


可愛らしい双子で、たしか、名前は…──



そこまで思い出し、頭がぐらつく。


まるで、思い出すな。と脳が警告しているように。





「忘れたりしないでよ。」

「忘れたりしないでよ。」



ただ、それだけを繰り返す薄紅の薔薇は、とても哀しげに花弁を一枚、散らした。


「あなた達は…誰?何故私を知っているの?」


「…………忘れちゃ、いやだよ…」

「………僕らの、アリスお姉さん…」



哀しげに、寂しげに、


花弁は一枚ずつ 舞い落ちる。



まだまだ未熟な薄紅の薔薇。
赤く染まることもないまま、散ってゆく。



「…お姉さん……。」



哀しげな声。美しい薄紅。


私は、あなた達を知っている。


なのに、なのにどうして名前が思い出せないの。


思い出せるのはあなた達の姿と



あなた達の美しく流れた血。




私を愛したばかりに流れてしまった



互いを傷付けあった残酷な血だけ