ギャーギャーと騒ぐリーフ君。
挙動不審なクローバーさん。

そして




「シャイボーイは素敵さ~♪」




相変わらずハイテンションなスペードさん。



「とにかく!!アリスは皆に良い顔しすぎなんだよ!

クローバーだけじゃない。チェシャ猫にも白兎にも帽子屋にも!

みーんなに良い顔してさ…
みーんなに好かれて…
みんな、皆…アリスのことばっかり…

クローバーも、いっつもいっつもアリスアリスアリスアリス……
アリスはクローバーのこと「いい加減にしなさい。」」



ピタリ、と止む声。
同時に青ざめていくリーフ君。


クローバーさんの顔は見えないが、きっととてつもなく怒っているのだろう。リーフ君はパクパクと口を開け閉めしている。



「あっ…ご、ごめんなさっ…」




ガタガタと震え、目からは大量の涙。
まるっきり子どもである。


「クローバーは森の主~♪
皆に慕われる森の主~♪


だから、リーフは嫉妬しているのだよ~


クローバーはアリスにぞっこんだから~♪」



「すすすすスペードさん!!!
な、何を仰っているのですかあああ!!」


怒りなんて吹っ飛びまたもや顔を真っ赤にしだすクローバーさん。

「あはは、はは…」
なんだか忙しい人だなあ。


チラリ、とリーフ君を見ると涙目のまま私を睨み付けていた。


相当嫌われてるな、私。

きっとクローバーさんのことが大好きなのだろう。私は皆のことが好き。けれど、それはただの八方美人なのかもしれない。

嫌われるのが怖いから。
必要とされなくなるのが怖いから。


また、大好きな人に



捨てられてしまうのが怖いから。