─ Alice ?─




理解できない。
この人可笑しい。

自分のものにならなければ
自分が死んでもいいってこと?

私と一緒にいれるなら
どんな形でもいいの?


体の全て、私と同化する。

つまり、私が帽子屋さんの
血を、肉を、骨を…─



「い、いや!!
そんなことできない!!!」


考えるだけで吐き気がする。


「ならば私のアリスになりなさい。
ニ択しかありませんよ?」




冷たい瞳は私を射抜き、
逃げる猶予なんて与えない。



「…私は、
帽子屋さんのモノにはならないし、
帽子屋さんを全て受け入れることもしません!
できるわけないじゃない!」



本当のことだ。
私はシロウサギさんみたいに鬼畜じゃない。
人を喰らうなんてそんなこと…

「アリス。
貴女は私には逆らえない、と
先程説明したばかりですよ…?



双子のような犠牲者を
出したいのですか?」



!?!?


「ま、待って帽子屋さん!
双子のような犠牲者って…



やっぱりディーとダムに何か
したんじゃない!!!!」



何かあったんだ。
私が寝てた間に二人は…


「アリスがいけないのですよ?
私よりも双子に気を惹かれていたから…

二人には、消えてもらいました。」


「どうして…?どうしてそんな…」


私はただ、二人の闘いを
止めてほしくて…


「安心して下さい。
二人は薔薇として生きていくのです。

まだまだ未熟な薄紅の薔薇…


これから多くの血を吸い、
美しく、そして残酷な
【 紅 】に染まるでしょう。」