─ Alice ?─




狂主…?─


思わず体が強張る。


すると、ダイアさんはニコリと笑い
私の頭を撫でる。


「安心せい、アリス。
妾は助言者。被害は加えぬ。」


何故だろう…とても安心できる


昔から知っているような…



「ダイア…さん。私、前に貴女と
会ったこと、ありますか?」


緊張しながら、口を開く。


ダイアさんなら、教えてくれる。


心のどこかで確信がもてた。



「ははは!!!

そうか…アリス、そなたは
記憶を消されておるようだな。

まずは記憶を戻すのが先か…



よし、着いて参れ。」


何やら一人で納得し、
さっさと歩き出してしまう。


「えっちょっと…ダ、ダイアさん!?」



急いで後を追いながら、
周りを見回していると




壁や床も真っ黒。
装飾なんて一切ない。



黒一色である。



「着いたぞ。」



一枚の扉の前で
ダイアさんが止まる。


その扉もやっぱり黒。


「まあ入るがよい。
そなたの消された記憶、
妾が戻してあげよう。」