─ Alice ?─





「……都合が、何だ?」



「………すみません。」



有無を言わせぬ
オーラを放つチェシャ猫に
ネズちゃんは黙る。



何この雰囲気!!
重い…重すぎる!!


なんとかこの場を
盛り上げようと
辺りを見渡し、
面白いものを探す。


すると遠くに
淡い桃色の薔薇の門が
あるのを発見した。




「あ!!2人とも見て!!
綺麗な薔薇の門…??」


指を差しながら
大袈裟にはしゃいで
言ったものの


「何にもねえじゃん。」



確かに先ほどまで
薔薇の門があった
場所には何もなく、
ただ白薔薇が
咲いているだけだった。


「可笑しいなあ…」



首を傾げる私を無視し
2人は未だに
険悪な空気を漂わせる。


すると



先ほどと同じ場所に
また薔薇の門が。



2人に言おうと
振り返るも、
また消えたらチェシャ猫に
馬鹿にされる…
そう思い、一人で
門を潜ることにした。




「女は度胸!!!」


一人で気合いを入れ
淡い桃色の門を潜った。